糖質制限や食の欧米化

昨今、ダイエットで糖質制限が流行りました。
回転寿司では一時シャリの部分を大根に変更するサービスがあったほどです。
しかし、実際糖質を制限すると大変なデメリットが生じます。
とはいえ、糖質の過剰摂取も糖尿病などのリスクがあるんじゃないか?とこのような所だと思います。
これは間違いのない事実ですが、しかし多くの人が勘違いしている点があり、三大栄養素に限らず全ての栄養素、食材は人間の為に存在しているのではありません。
よって、人間側が進化の過程でそれらを使えるように合わせているに過ぎないのです。
結論を言えば、全ての栄養素は必要でありまた摂取量や方法を間違えればいずれも毒にもなる、という事です。
当たり前ですが、全ての栄養素の過剰摂取は毒にしかなりません。
糖質は血管を痛めます、蛋白質は処理の段階でアンモニア等の毒素が出ます、脂質は過酸化脂質が発生します。
上げればキリがない程、デメリットはこれだけではありません。
ですから、ある栄養素を偏って摂取するという事は、体内ではそのデメリットを強化する形になるという格好です。
逆に、全ての要素をバランス良く摂取する事で、必要なエネルギーは確保しつつ、デメリットを最小限にする事が出来る、という事です。
日本人は米を主食にしてきましたが、糖質制限で米はとことん悪者にされました。
確かに白米は血糖値を急上昇させますし、多く食べている人ほど糖尿病の率が高まる、というデータも嘘ではないでしょう。
しかし、これらのデメリットの多くは回避可能なのです。
血糖値上昇に関しては、具沢山味噌汁を先に3割ほど食べたり、先にオカズを食べる事で抑える事が出来ます。
更にご飯と一緒に野菜である「漬物」を食べる事で、食物繊維各種ビタミンミネラルも摂取出来、当然血糖値の上昇も更に抑える事が出来ます。
加えて運動は糖尿病の発症率を極めて減らす効果があります。
実際、米を食べて糖尿病になってしまう人は運動習慣の全くない方なのです。
しっかりと筋肉を動かし、糖の代謝を高めている人はその限りではありません。
昔の日本人は少なくとも現代人より多くの運動量だったでしょう。
昨今は糖質摂取にしても白米より更に血糖値の上がる食べ物を食べる傾向にあります。
そしてその食品には大抵脂質が多く入っている物です。
和食というのは、知れば知るほど、各栄養素のデメリットを打ち消す要素が入っている事が分かります。
和食、といっても唐揚げや天ぷらは個人的に違うと思っております。
その辺りは日本だけでなく、世界各地の伝統料理を眺める事で見えてくると思います。
日本の和食だけでなく、世界各地の伝統的な料理の多くには各栄養素のデメリットを最小限にする工夫が入ってるものです。
食の欧米化が悪いのではなく、伝統を無視し、美味しい物だけ集めた食卓が悪いと感じています。